Q&A2018年05月11日

後遺障害認定関連

Q1.治療中、保険会社から「治療を打ち切ります」と言われました。その対処法はどうしたらよいですか?
A.解決までの流れの中で、大変重要な局面といえるでしょう。その対処法によっては解決への明暗が分かれるところでもあります。まず、治療費が打ち切られるからといって、病院等へ通ってはいけないという訳ではありませんので、症状があって治療がまだ必要と思われる場合は病院の先生とも相談し、引き続き通院すれば良いのではないでしょうか。
 打ち切られた後の治療費については当面自己負担になりますが、状況によっては示談の際、加害者側に請求することも可能だと思います。ただ、加害者側が負担するかどうかはあくまでも交渉次第です。
 いずれにしても、被害者にとって大変重要な対処になりますので、出来るだけ早く専門家(弁護士、行政書士等)に相談することをお勧めします。

Q2.慰謝料には、さまざまな基準があると聞いたのですが。
A.慰謝料には、入退院慰謝料(傷害部分)、後遺遺障害部分)、死亡慰謝料(死亡部分)があり分けて3つの基準があります。一つ目は自賠責保険における基準であり「支払基準」によって公開されています。2つ目は任保険会社の基準です。保険会社各社に独自基準があり公開はされていません。3つ目はいわゆる「赤い本」「青い本」基準といわれるもので、弁護士が賠償請求する場合に多く見られます。
※「赤い本」とは、(財)日弁連交通事故相談センター東京支部が編集・発行している、「損害賠償額算定基準」のことです。※「青い本」とは、(財)日弁連交通事故相談センターが編集・発行している、「交通事故損害額算定基準」のことです。

Q3.自賠責保険の慰謝料の計算はどのようになっているのでしょうか?
A.自賠責保険の「支払い基準」には次のように定められています。
(1)慰謝料は、1日につき4,200円とする。
(2)慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。具体的な計算方法は、治療期間の総治療日数と、実治療日数を2倍した 日数のどちらか少ない日数に4,200円を乗じて計算されます。
(例)総治療日数が3カ月(=91日)で、その間の実退院日数が40日の場合。 
    91日(3カ月) > 80日(40日×2)
             → 少ない方の  80日×4,200円=336,000円 となります。

Q4.示談する前に心掛けておかなければならないことについて教えてください。
A.被害者として何が請求でき、それがいくらの額になるのかよく分からない。あるいは、加害者側から提示された賠償額が妥当かどうかも分からない。後遺症が残っているのにどう やって認定を受けたらよいか分からない等々、示談する前に確認しておかなければならないことはたくさんあります。
被害者にとっては大事な権利です。
一人で判断するのではなく、それぞれの分野の専門家、例えば賠償額については弁護士、後遺症の認定については行政書士に相談することをお勧めします。
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 栃木県 宇都宮東法律事務所
 東京都 桝實法律事務所

Q5.交通事故の加害者が任意保険に加入していませんでした。どうしたらよいでしょう?
A.加害者の自動車が車検を受けているかぎり,自賠責保険には,入っているはずですので,自賠責保険に対して請求(被害者請求)しましょう。治療先の病院には事情を話して,健康保険で治療を受けることも可能です。被害者様の健康保険の窓口に連絡して,第三者行為届けを提出しましょう。健康保険だと,治療費の30%は自己負担ですが,あとで自賠責保険に請求すれば,もどってきます。また,Q3で計算した慰謝料も受け取ることができます。少し面倒ですが,お仕事をなさっている人は,自賠責基準(1日5,700円が限度)の休業損害も受けられます。